えーっと、そういえば、一冊読み終わっていました。
「清張さんと司馬さん」半藤一利です。
これが、意外と面白かったです。
半藤一利って、太平洋戦争の小説を書く人という認識しかなかったのですが、どうも長いこと大手出版社で編集者をしていたらしく、松本清張と司馬遼太郎の担当で、なかなか深い付き合いをしていたみたいです。
さらに、松本清張に関しても目から鱗でした。僕は松本清張なんかまったく読んだ記憶がありません。なんか、純文学というよりサスペンスっていうか、昼ドラとか2時間ドラマとかの印象が強く、安っぽいイメージで、敬遠しておりました。ところが、やっぱりというか、サスペンスに革命を起こした人らしく、それまで型通りの殺人事件に、社会的な人間の本能のような、どろどろした心を絡ませた初めての人らしい。その上、社会性を重視し、歴史的な検証も含めて、そのバックグラウンドは単なる大衆小説といった安っぽいものでは全くなかったと。志は司馬遼太郎にも負けないものを持っていたと。ものすごい量の文章を残しており、歴史ものも多く書いているという。ずいぶん見直して、年始に2冊ほど、買ってみた。
ちょっとマニアックすぎて、これがかなりつまらない。清張はなんと考古学からの連続として、現在の日本人の心を理解しようとしていたようだ。で、読み始めた本は考古学的なテーマを専門家と対談する形式なのだけれども、内容がマニアックすぎてよくわからない。
考古学会では清張のスタイルは異端だったらしい。通常、なにかしらの発掘調査をやって、自ら文献の後ろ盾を発見することが一人前と目されていたようである。しかし、清張はとことん古典の読み込みと、東アジア全体の風習などの論理的つじつまで責め立てており、これがなかなか学会に受け入れられなかったようである。そんなひがみが、ところどころに出ている対談である。
実は、別のテーマで、遠藤周作が対談にでているところがあって、なんか発見した気分で買ったまででした。遠藤周作が亡くなる4年ほど前の発言かなぁ・・・。そんなに新しくないのかなぁ。
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