日曜日, 10月 29, 2006

「日米開戦の真実」読み終わっていました

久しぶりに読書記録を。

ここのところ、読書をするにはしておりましたが、すっかりペースが落ちていました。
なんとか、読了していました「日米開戦の真実」佐藤優。
大川周明という時事評論家?が開戦直後、日米開戦へなぜ日本は突入しなければならないのかを理路整然とラジオで述べたものを本にして、当時爆発的に売れたという。イギリス、スペインの帝国主義から始まって、いかに欧州がアジアの利権を搾取していたか、それに乗り遅れたアメリカがいかに姑息に自己主張していたか、アジアの一員として日本が力を蓄えて、新東亜共栄圏という地域的主権による世界新秩序(今のEUの東アジア版)を夢見ていたかを、滔々と語っている。当時のアジアとしての屈辱が手に取るように分かる。アヘン戦争、アロー戦争の理不尽さ。すでに植民地化されて清国を攻めるのに傭兵として用いられていたインド人の悲哀。
東アジアで唯一白人に日露戦争で勝った日本は、アジアを守る盟主たらんとした。しかし、欧米列強が帝国主義を押し進めて熟していた時期にしては日本は未だ国力の不足を否めない。そこで、国力増強のために一時的に中国アジアを占領させてもらいたい、その先には、欧米と対等な地域主権がまっているのだよ。というのが日本の主張だったようだけれども、なんか途中まではいいけど、最後の論理がやっぱり変だ。やっぱり無理があったんだなぁ。(感想も含めて佐藤優の見方です(僕の理解では))。
でも、なんだか当時の日本の状況がわかったような気になります。日本は軍縮会議でも譲歩に譲歩を重ねてけなげに国際社会に認めてもらおうと努力しているにもかかわらず、一度振り込んだら繰り返されるおれおれ詐欺のように、重ねて無理難題を押し付けてくる欧米の傲慢さ。そういう時代だったのでしょう。自分たちのやってきたことを棚に上げて、平和主義を突然唱えだす欧米。日本の台頭を決して認めない欧米。今でもそういうのあるかもね。当時に比べればだいぶ薄まっているかもしれないけれど。

大川周明は敗戦後東京裁判でA級戦犯になったが、法廷にパジャマで出席し、よだれを垂らしながら東条英機のはげ頭をぺんぺんしたという。この行為から精神異常と認められ、結局罪は問われなかった。
A級戦犯は最近話題になっているけれども、罪の重い人ではなくて、具体的に戦争を引き起こす政治的な行動を行った人のことらしい。大川は、庶民を煽動した罪に問われている。
そもそも、彼らの罪は、平和を乱した、という罪らしい。こんな罪は国際法にはないという。勝手に戦勝国が造った。平和を乱した罪ならば、不可侵条約を犯したロシアも同罪だが、ロシアは裁く側にいた。首尾よく北方4島を手に入れた。
なんだかおかしいなー、と思って当然のところである。

しかし、一方で日本がアジアでやったひどい仕打ちも事実としてある。
勝てば官軍負ければ賊軍としか言いようがない。


日米開戦の真実

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