今お世話になっている米国の大学は米国でも結構大きい方だと思います。ネタばれ(といってもこのブログのリピーターにはほとんどばれていると思いますが・・・)で言うと、去年話題になった京都大学の山中のグループと別グループとして同時に人工万能細胞の作成に成功したと発表された大学です。どうもビタミンDの研究とかでなかなか有名らしいです。
で、こちらで知り合った日本人の人たちの多くはライフサイエンス(医者も含む)に関わっている人で、ライフサイエンスの会という会で毎月一回セミナーを開いています。僕なんかのジオロジー系はまったくめずらしく、ライフサイエンスでもなんでもないんですが、仲良くなった日本人の方々から誘われて時々そのセミナーに参加しています。
日本で博士を取って結構すぐの人が腕試しにこっちにやって来ているようです。ほとんどの人がPDです。こちらではPDの獲得しやすいので、日本よりも悲壮感が少ない感じがします。とは言ってもPDも長くやると自動的に給料が上がってしまうのでだんだんと更新が厳しくなるそうです。なので米国とはいえいつまでもPDなんてやってられるもんじゃないようです。で、能力のある人は教育義務のない研究職(リサーチサイエンティスト)になるのが一つの出世の道となっています。やはり言葉の問題でなかなか教育義務を持ったファカルティーは難しいようです。リサーチサイエンティストといっても当然パーマネントではないので、PDとあまり変わらないような印象ですが、保険が優遇されたり、大学からの保護が強く受けられる立場になるらしく、PDより格段にいいポジションのようです。
とはいえ、長くても米国5、6年の人が多く、心のどこかで日本にいい職があれば帰りたいと思っているようです。多分どっかに一線があって、それを超えてしまうともう日本に帰ってやっていけなくなってしまうのではないかと思われます。こないだノーベル賞取ったひとみたいに。
先月だったかこっちでPDやってた人が、めでたく日本の大学教員ポストをゲットし凱旋帰国して行きました。と思ったら、今月二人も大学教員職をゲットしてまた凱旋帰国するということです。すごい!帰国ラッシュ!
ということで今週末と来週はおわかれパーティーです。
しかし、いくらでかい大学とはいえ、PD問題が大きな話題になっているこのご時世に、ちょっとこのラッシュは一体どういうことかと考えてしまいます。多分ライフサイエンスの会にはレギュラーメンバーで30人くらいが多めの人数見積もりだと思いますが、ここから3人なので、1割くらいの合格率です。学振PDよりも高い確率ですね!この3人とも国立大学ですが、果たして日本のPDの1割も国立教員職をゲットできるでしょうか?いや意外ともっと多かったりして。この辺のデータ知りませんので何とも言えません。
まぁ、優秀な人が集まっていたというのが一番考えやすしですね。日本全体のピンキリの中でも、海外PDを志す人は当然上の方と考えるべきかもしれません。しかもたまたまラッシュだったと。もう身も蓋もない、参考にならない考察です。というか統計的に意味のある傾向を得るほどサンプル多くないですしね。
こないだ学振をゲットした人の研究職獲得率は11年以内に8割以上みたいな統計を読んだことがあります。ありました、これです。
http://d.hatena.ne.jp/yahara/20060610/1149905020
ま、とにかく、めでたいです!
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