水曜日, 12月 31, 2008

ニューイヤーイヴ

 日本の感覚で昨日を仕事納めに勝手にして今日はすっかり家にいましたが、米国では基本的に年始年末休みは大晦日と元旦だけみたいです。去年はどうだったかまったく覚えていません。

 外は雪が降っていて、夜中に除雪の音がします。働き者がいますね。

 今日も仕掛けてある実験の圧力を変えるためだけにちょろっと大学に行きましたが、事務員や技官は仕事していました。教員はまったくいませんでした。教員は長期で休暇を取るみたいですね。学生もいませんし。

 で、今日は映画を見てきました。娘の都合でマダガスカル2というDreamworksのCG映画ですが、まぁまぁでした。話にひねりがあまりなく、複線やどんでん返しに深みがありません。英語なのでちょうどよかったです。

 その後、家でインターネットで日本の番組をだらだら見ました。テレビタックルの田母神問題特集を見ました。それから、ちょっと前にTBSでやった「あの戦争はなんだったのか?」みたいな特番を見ました。これは、政府、統帥権、言論界、マスコミ、国民、と、従来になく満遍なく広く責任を問うていてよかったと思います。
やっぱり、当時は選民的な慢心があった。そういう時代だったんだなぁと思います。
それから、言論の自由というものが非常に大切だと思いますね。
226で将校に同情的な世論とかはマスコミや言論界によって形成されたものなのでしょうか?今よりもマスコミの力は強大で、容易に世論を操作できたのではなかろうか?

日清・日露勝利で慢心していたところ、大東亜戦争で敗戦した精神的なショックは根深く、60年たった今なおその反動に突き動かされていますね。
一部マスコミが村山談話で国民を染め上げようとしているのはその現われだと思います。
いうなれば、慢心戒めよ、ということでしょう。
それはそうである。慢心は戒めねばならぬ。

そうやって自衛隊は骨抜きにされて、領海領空侵犯に対して実効的な対応ができず、拉致事件を放置したりしてきました。日本にオイルを運ぶ船を海賊から護衛するにも、制限がある。そもそも存在自体が違憲的である。
 戦争はするべきではない。平和が一番いいに決まってます。であるからして、拉致を放置したことはやむを得ないか?日本にオイルを運ぶのにときどき海賊にとられて、船長(多分外国人)が拉致されるというコストは止むを得ないか?
 中国が尖閣諸島を侵犯し、ロシアが領空を侵犯するのも止むを得ないか?一応ごっこスクランブルをするけど、撃つことはありえない、自衛隊。

 じゃ、僕が率先して自衛隊に入って日本を守ります!とはなりません。
誰が日本のために命をかけますか?僕だって命惜しい。当然自衛官だって命は惜しい。家族もいる。子供もいる。(が、実際はイラク派遣では結構命がけで危なかったみたい。もっと日常的にも警察や消防は日本のために命をかけているとも言えるでしょう。頭が下がります。)

 これまでこんなあいまいな状態で相応の平和は保たれてきたじゃないか?拉致は運が悪かった。オイルもちょっと金払って、多少のコスト高は目を瞑ろう、領海領空侵犯は好きにさせたらいいじゃないか。戦争するより百倍いい。それで日本は経済大国になった。経済戦争ではブッちぎりで勝利している。何が問題なのか?日本のために命をかける必要はないでしょ?むしろ軍隊があるから、敵を作るんじゃないの?

 娘が生まれてこの世のものとは思えない喜びを感じていたところ、じぃちゃんが亡くなって、あぁ、じぃちゃんも僕の母親が生まれたときは喜んだんだろうなと想像したとき、日本が戦争に突き進んだことを完全に否定しきれなくなりました。じぃちゃんにも一分の理はあったに違いない、と。
 自己につながる脈々とした歴史、将来に守るべき娘。それが想像できる範囲が日本という枠なのだと。日本の利益を超えて娘を守るとか、先祖の歴史を感じるとか、ないわけですね。だから日本を守るべきだというある一定の枠内の郷土愛というものが主張されるわけですね。
 もちろんわかりやすいところでは、日本国のパスポートで外国にいられるわけで、外国での安全も保障されているわけです。娘が拉致されていいとかありえないんです、普通の平和的な状況でです。

はい、じゃぁま、よっぱらってるんで、尻切れトンボ。

月曜日, 12月 29, 2008

今年も仕事納め

今日で今年の仕事納め。
学会中に受け取った論文Proofの返答を今頃ようやっとやりました。
学会後にダイレクトでアナハイムに行ってしまって帰って来たらクリスマスで、26日に出勤しましたが、放置時間の長い実験を仕込んで終わって、土日をしっかり休んで、今日月曜日が仕事納め、と相成りました。

実験パーツの故障を修理したり、測定方法を若干変更したり、これまでにない深部の固い堆積物を扱ったりと、いろいろ新しいことにチャレンジしたので充実感はありますね。
あと学会で得た情報で自分のデータを修正してみたところ、やっぱりネタとしては否定されないことが分かり、ちょっと一安心。

一応土日も自宅でデータをちょろちょろいじくってました。
測定方法を変更して、これまでほぼ24時間おきに1回、波形をゲットしていましたが、これを10分ごとに24時間連続でゲットする仕組みに変えました。これやるとサンプルの歪み中の波形の変化が追えるので、S波のピッキングがしやすくなるという目論見です。
しかし結果としてデータがめちゃくちゃ大きくなり、一回につき2500データの6かける24コあって、それぞれ10行のヘッダーが付いており、しかもそれが縦にだらだら続くというテキストファイル。そのままでは僕の持っている古いエクセルで開けず、テキストファイルを分割するソフトで短くして、エクセルで開けるようにして、それをマクロで並べ替えてという方法を確立してました。

で今日、学校で集中できる状況でProofのチェックと返答作成をやりました。こればっかりはほんと年越して持ち越すと縁起が悪いですね。

さてさて、今年はどんな年だったでしょうか?
昨年末に紀伊半島沖の研究航海から帰って来た後、日本に帰国することなくまるまる1年連続で米国にいたわけですが、英語が格段に上達したという気分はありませんね。やっぱり若者に比べると英語の習得率は格段に下がりますね。英語のためなら若いうちに留学した方がいいよ。
とはいえ、歯医者や自動車保険のやりとりなど、英語ができなくてもなんとかなるもんなんですね。
やはりこの二つは今年の二大イベントと言えるでしょう。

春夏と大旅行二つ、仕事関連で秋冬に小旅行に行きました。よかったなー。
娘は6月からプリスクールが始まりまして、すぐに馴染みすぎて驚きました。

仕事では、淡々と新たなデータを取りつつ、去年からのと今年ちょろっと書いた論文がま、なんだかんだ言って査読付きで今年になって3本受理されました。論文のレベルは中、小、大、か小、微小、中、程度の3本ですね。特に二本目は数に入れるのも憚られるようなものですが・・・。まだまだがんばらねばなりませんね。まま、適度に適度に。

米国生活もあと3ヶ月とあいなりましたが、やることは一杯あります。終わるかなぁ・・・。


それではみなさんよい年末を!また来年!ハッピーホリデー!!!

火曜日, 12月 23, 2008

帰って来ました

学会から帰って来ました。
今回の学会は日本人の中でも関連する日本人がたくさん来ているので、日本語で研究の話やら本当に久しぶりに大学の話などをしてなかなか楽しかったです。
西海岸の日本食はすばらしいですね。ほとんど日本食を食べてました。あと中華。

いろいろ研究関連の最新情報を手に入れて、ちょっと自分の研究の微調整も必要かなぁ、といったところ。ま、できる範囲でがんばります。

船関連の夜間レセプションがあって前半のタダ酒タダ飯に参加しました。最初の航海(南海ではない)のメンバーなどと久々に再会しました。ものすごい人ごみをかき分けて誰か知っている人とばったり出会うという感じです。会場イベント(別室で席について偉い人の話を聞く)が始まるところでばったりうちの大学の受け入れ教員と遭遇しました(ほんと出会い頭みたいな感じ)。
「おーはっしー、この会場イベントは多分退屈だぞ。」
「えー、それじゃ、うちの大学のレセプションに移るってこと?」
ちょうど同じ時間にうちの大学のレセプションも他のホテルでやっていたのでした。こっちもタダ酒タダ飯。
「いや、俺は母校のレセプションがあるからそっち行くけどね。」
うーん、彼は関連するレセプションが3つも同じ日にかぶっていたのでした。
確かに例年あんまり大したこと言っていないし、船関連のレセプションは範囲がでかすぎます。そこで、同じ研究室のマットを捕まえて
「なんか受け入れ教員がこのレセプションもう退屈だって言うからうちの大学の方に行こう。」
ということで、別のホテルに移動しました。
そこで地球物理の学生や同じ研究室の学生とちまちましゃべり結構飲んだ後、トイ面のダイナーへ行ってデザート(チーズケーキ)を食べてみんなと別れました。その足で一人でアイリッシュバーに行って、日本人研究者仲間を発見し、また数杯飲んで、次の朝ちょっと二日酔いになりました。って、その日の午前中が自分の発表の日でした。ちょいきつかったです。

水曜日から嫁と娘が合流し、ちょっとJAPAN townに買い出し。目指すは紀伊國屋です。
本を数冊とミスチルの最新アルバムを購入しました。
んでもって、自分へのクリスマス記念品にiPod touchをApple storeで購入。娘のプレゼントは隠してあるので、一応自分もまだ開けておらず、クリスマスの朝に娘と開けるつもりです。ちょっと無意味な気もしていますが、あと二日なので一応一度決めたことは貫こうという、そういう意気込みだけの意味しかありません・・・。

最終日も関連セッション目白押しで、ふむふむと勉強しまして、満足のうちに学会は終了しました。
その間にアクセプトされていた論文のゲラ刷りが送られてきましたが、集中して読む暇がないので後回し。

土曜日からアナハイムへ!
ビックサンダーマウンテンという鉱床の山がありまして、そこへ巡検に・・・。ミの付くネズミさんに会いましたよ。なぜか嫁と娘が一緒。

で、今日アナハイムから帰って来ました。
シカゴ経由でしたが、シカゴがこれがまぁすごい大雪で3時間近く遅れてなんとか無事帰宅しました。あー疲れた。

金曜日, 12月 12, 2008

学会

 来週日曜日にサンフランシスコに行きます。
 月曜日から始まる学会に参加するためです。

 今ポスター印刷中。みんなでいっせいにキューを出すとプロッターが処理しきれなくなってストップしてしまうので、時間と順番を決めて一人ずつキューを出してます。このルールができるまでほぼ午前中は混沌としていました。むかーし学生時代にそんなことがあったような気がするなぁ・・・。

 印刷、今終わりました。久しぶりのポスター発表ですね。学会発表自体が昨年の10月以来です。そのときは口頭でした。うーんと、ポスター発表はいつ以来だろうか?今度の学会は日本人が数多く来るので、楽しみですねー。あと西海岸は日本食もこっちより格段にいいので、それも楽しみです。

 で、クリスマス・年末に突入です。学会へは最初一人で行きますが、途中から娘と嫁が合流し、学会後にアナハイムへ。定番のアレですね!


 

火曜日, 12月 02, 2008

論文受理!

 今朝、また別の論文の受理通知が来ました!やったー!

 こいつは前の論文とは違って結構力入れた内容のものだったので、かなりうれしいです。やったよー!!2F!!

 しかしまぁそれにしても長かった。
 こっち来てからしばらく慣れないときだったので、まぁ論文でも書くかぁとだらだら書いて投稿したのが昨年の7月。で、9月にリジェクトで返って来ました。しかもエディターリジェクト。つまりレビューコメントなしでした。それなら2ヶ月も放置するなよ、といいたくなりますね。やむなく10月に別の雑誌にそのまま投稿。それから最初のディシジョンもらうまでなんと8ヶ月!5月にメジャーリビジョン、再レビューという判定で返って来ました。それからもう頭元に戻すのに四苦八苦して、リバイスを投稿したのが7月。で、今の今12月についに受理と相成りました。
 メジャーリビジョンでも再レビュー付きだったので、また再レビューへのリバイスがあるかなぁと思っていたのですが、いきなり受理で驚きです。いやいやそれにしてもめでたい。

 リバイス投稿してからもう4ヶ月以上たっていたので、エディターにちょくちょく現状どうなっているのか確認のメールを送っていたのですが、なかなか返事をもらえず、昨日になって、現状についての返事が来ました。
「時間がかかってすいません。でもあなたはまだ運のいい方です。もっと遅い人がたくさんいます。」
とか言う。ほんとかよー!これはまだしばらくかかるなぁ、と思っていた矢先でした。
 ところが今日になって
「ついにあなたの論文が受理されたことをお知らせします!もうずいぶん前にレビューが返って来ていました。システムのミスで止まったままになっていました。レビュワーが悪いのではなく、我が出版社のミスであることを強調します。」
ということでした。なんかこう、言わなかったらほっておかれるっていうことが西洋では多いような気がするのですが・・・。言われるまでやらないっていうことか?今回も言われたから確認してみたらシステムにミスがあったことが分かった、っていう話だと思います。話が急展開すぎる。

 これで今レビュー or リバイス中の論文がなくなりました。一応ネタはあるのですが、今やっていることと毛色が違うので頭の切り替えが難しく、のばしのばしになっています。しかし何年かかってもきっと放出します。

月曜日, 12月 01, 2008

Thanksgiving day

 去年はちょうど乗船研究で不在だったので、今年が初めての米国でのThanksgiving dayでした。嫁のブログの通りなので、あんまり書くことないですねぇ。嫁のESLの先生のところで伝統的な食事を頂けたのはよい経験でした。
 で、その後の連休で行ったミネアポリスのMall of Americaはでかかった。終わり。

 今日仕事復帰しましたがあんまりエンジンかからず。
 先月に始めた新しい測定は、試料の採取場所も次のサイトで、測定方法もこれまでP波のみだったところをS波測定に変えたものです。S波トランスデューサーだけどちょっとP波もでるので、一発で両方測れるかもしれない、ということで先月初めに実験的な測定をやってなんとなくいけそうだということで、本測定に入った最初の試料のデータが一通り揃いました。確かにP波の到着は間違いなく見えますが、S波は減衰して埋もれてしまってなかなかピッキングがムツカしい。何も経験のない僕には目視は不可能ですね。
 そこでいろいろ調べてみると、地震波の自動解析の分野で意外とP波S波ピッキングのための波形解析が発達していることが分かりました。発達していることは分かりましたが、なかなか手法をちゃんと理解するのは難しいです。
 しかし、調べてみるとどうもプリミティブにやっていることは同じようでありまして、その解析方法としてむかーし日本人によって発見された統計的手法で「赤池情報量規準」(AIC)というものが使われていることが分かりました。あぁ、日本人ってすげーなー!
 これは理解できたので、こいつを適用してみますと、なかなかいい感じのところでピックできそうです。が、ちょっと怪しいところもあり、まだ完璧ではありません。
 この発展系では、生波形を周波数分解したものに対してAICをかけて、複数の周波数帯で同じ場所にピックされるかどうかという判定をしているようですけども、この波形解析に単純なフーリエ解析じゃなくて、ちょっとこねた式を使ったりしているみたいです。この辺がよくわからない。単純なフーリエ解析でもいいんじゃないかということで、周波数分解してみようと思っているところです。
 しかし、これも加減があって、さじ加減でいかようにもなる世界ですので、なんとなくもっともらしいところを適当にピックするのにちょっと努力してもっともらしい感じを表現してみましたということになると思います。結局はデータを増やして、経験的にもっともらしいというってことで、地質も地物も変わらないじゃないか、という話ですね。もっともらしさの表現力が高いのは地物だけど。

 でもこういう情報に観察がかぶさってくると、時空間的な広がりやメカニカルな理解が合わさって、ものすごい深まって行くなぁ、と、今のところしょぼいのですが、そういう予感があります。

 論文にするのがめんどくさいです。

 ということで、久々仕事の話でした。