大学教員になったばかりのころ,それはもう研究に燃えていましたね.
今も昔もオーバードクター問題というのが,延々と続いておりまして,多くの博士課程の学生は,いったい自分の将来はどうなるんだろう,と不安な日が少なからずあるわけです.ドクターを取ろうと頑張っている時は,自分の研究にある程度の自負があり,このネタで飯を食えたらどんなに幸せだろうかと夢を持って研究している訳です.つまり,就職先の希望はほぼ研究職であるのですが,この枠が非常に少ない.
大学教員としての就職は,そんな夢の実現です.そうなんです.
僕は非常に幸運な事に,早々とそんな夢が実現したんです.これで燃えないわけがありません.
ところが,学生の頃には想像もできない仕事が大学では沢山ある事にすぐ気がつきます.大学とは言わずもがなですが,教育機関でありますので,大学の存在意義としての学生へのサービス業務が沢山あります.サービスというと聞こえが悪いですが,大学のほとんどの部署は学生のために存在しています.授業のカリキュラム調整,必修選択科目の設定,講義,成績付けという一連の学位システム,退学休学・転学科転学部の対応,数多くの入試への対応などです.入試の数が多いのにびっくりです.まず,一般的な学部入試.推薦入試,センタ−試験から前期後期試験へと,ここで4つあります.あと,大学院の一次・二次試験.これで2回.あと,帰国子女,編入学,社会人入試といろいろ試験があります.最後の方は数が少ないですが,対応の手間は同じです.
こういったシステムが大学を大学としているという,ま,まったくもってあたりまえすぎることなのですが,研究に燃えておった学生時代には,その恩恵を被っておきながら,実はまったく気がついていなかったということです.
最初のうちは目新しく,あー面白いと思っていましたが,だんだん慣れてくるにつれて,研究とどうバランスを取るかということを考えるようになりました.研究で業績を出そうとするのはある意味,自分の名誉欲を満たそうとすることであります.自分に実力があるないに関わらず,業績を上げたいと思うものです.一方で,研究とは全く関係ない業務もややあると,ま,ある時の感情によっては,なんかやばいなーと焦ったりする事もあります.で,大学とかじゃなくて,研究だけできる機関があるという噂・・・,というか,ま,教育のデューティーのない機関の人たちをうらやんだりしてしまう時もなきにしもあらずです.
ところがどっこいしょ.
で,長くなったので,今日はこのへんで.
水曜日, 8月 30, 2006
木曜日, 8月 24, 2006
今日読んだ論文
無茶だと思うけど,今日読んだ論文というコーナーを立ち上げよう.目標はレターだったら1本一日,フルペーパーは1本3日から一週間ほどでこつこつ読んで行くつもり・・・.無茶だなぁ.
で,読んだ感想を書くと.
次があるか・・・,乞うご期待.
今日読んだ論文は
Kano et al., 2006, Heat signature on the Chelungpu fault associated with the 1999 Chi-Chi Taiwan earthquake, Geophysical Research letter, V. 33, L14306, doi: 10.1029/2006GL026733
です.
なんだか最近の論文の引用の最後の方がよく分からないですね.doiってなんだろ.
で,中身ですけれども,簡単に言うと地震断層は強いのか弱いのか,地震によるエネルギー放出に,熱エネルギーにどれほど変換されているのか,という問題に果敢にアタックしております.
基本データは台湾チェルンプー断層の掘削孔を用いた温度測定で,この掘削孔では1111mに一つの地震断層の候補があるのですが,そのあたりに0.06℃の温度上昇があった.この温度上昇を摩擦発熱として計算してみると,断層強度は非常に弱くなるという結論です.
同様の研究は以前にもあったのですが,その時は掘削孔が非常に浅く,流体移動の影響を受けていたので,正しくないのではないかという議論をしています.
このような弱い断層ですと,摩擦発熱でメルティングを起こしていないだろうということで,断層を弱くした原因は高間隙流体圧か,なんらかの潤滑作用が起こっただろうと解釈しています.
ただ,断層運動に伴って高温流体が局所的に上昇したことも考えられ,今回の結論は可能性としてのみしめせるだろうとのことでした.
あー,やっぱり無茶だな,この企画.
えーっと,ちょっとコメントすると,熱拡散率の物からの実測と合わないのではないかと思うんだけれども,どうなんでしょうか?実測というのは台湾の掘削コアの値です.一般的な頁岩の値と結果から推定される熱拡散率の値は矛盾しない事で逃げを打っておりますが,一般的な頁岩の値も大きくバリエーションを持ちますし,そもそも,実測しているのですから使うべきでしょう.実測の仕方にいろいろ困難もありまして,問題ありなのかもしれませんが.
さて,この企画,本当に次があるのでしょうか?
あるかなー,ないかなー.
で,読んだ感想を書くと.
次があるか・・・,乞うご期待.
今日読んだ論文は
Kano et al., 2006, Heat signature on the Chelungpu fault associated with the 1999 Chi-Chi Taiwan earthquake, Geophysical Research letter, V. 33, L14306, doi: 10.1029/2006GL026733
です.
なんだか最近の論文の引用の最後の方がよく分からないですね.doiってなんだろ.
で,中身ですけれども,簡単に言うと地震断層は強いのか弱いのか,地震によるエネルギー放出に,熱エネルギーにどれほど変換されているのか,という問題に果敢にアタックしております.
基本データは台湾チェルンプー断層の掘削孔を用いた温度測定で,この掘削孔では1111mに一つの地震断層の候補があるのですが,そのあたりに0.06℃の温度上昇があった.この温度上昇を摩擦発熱として計算してみると,断層強度は非常に弱くなるという結論です.
同様の研究は以前にもあったのですが,その時は掘削孔が非常に浅く,流体移動の影響を受けていたので,正しくないのではないかという議論をしています.
このような弱い断層ですと,摩擦発熱でメルティングを起こしていないだろうということで,断層を弱くした原因は高間隙流体圧か,なんらかの潤滑作用が起こっただろうと解釈しています.
ただ,断層運動に伴って高温流体が局所的に上昇したことも考えられ,今回の結論は可能性としてのみしめせるだろうとのことでした.
あー,やっぱり無茶だな,この企画.
えーっと,ちょっとコメントすると,熱拡散率の物からの実測と合わないのではないかと思うんだけれども,どうなんでしょうか?実測というのは台湾の掘削コアの値です.一般的な頁岩の値と結果から推定される熱拡散率の値は矛盾しない事で逃げを打っておりますが,一般的な頁岩の値も大きくバリエーションを持ちますし,そもそも,実測しているのですから使うべきでしょう.実測の仕方にいろいろ困難もありまして,問題ありなのかもしれませんが.
さて,この企画,本当に次があるのでしょうか?
あるかなー,ないかなー.
月曜日, 8月 21, 2006
読み終わっていた本
まんず一冊本を読み終えておりました.
佐藤愛子「それからどうなる」です.
佐藤愛子のエッセイです.
なかなかなごみました.こういうのかれこれ10年以上,ぽつぽつ読んどります.
印象深かったのは,
「理屈じゃないんだ,自然をそのまま受け止めよう」
ってところでしょうか.
どうも北海道のイカ釣りが,夜ではなくて,昼間になったようです.これは異常気象とかではなくて,札幌の市場の時間の変更によるものらしい.夜はイカが浅いところまであがってきていて,沢山取りやすい一方,電気代がばかにならない.昼間はイカは深いところに潜っていて,取るのが大変ではあるけれど,電気代が浮いていいや.ってどっちもどっちらしい.あれれ,なんか話が違うかな?
なんだったかなー.すっかり忘れてしまった.とりあえず,漁師にとって理不尽な事があって,そんなことでいいんですか!って佐藤愛子が怒っていたら,漁師は涼しい顔で
「魚はいなくならんよ,海があればさー」
の一言で済ましたらしい.漁師にとって理不尽な事でも,それ以外の分野でその理不尽なことのおかげで生きている人もいるしなぁ,と.
そういうものかも知らん.
次に読んでいる本は
「キャラクター小説の作り方」
です.
なんだか,理屈をこね過ぎな文章で,あまり面白くないですが,ときどきなるほどと思うので,こらえて読んでます.
佐藤愛子「それからどうなる」です.
佐藤愛子のエッセイです.
なかなかなごみました.こういうのかれこれ10年以上,ぽつぽつ読んどります.
印象深かったのは,
「理屈じゃないんだ,自然をそのまま受け止めよう」
ってところでしょうか.
どうも北海道のイカ釣りが,夜ではなくて,昼間になったようです.これは異常気象とかではなくて,札幌の市場の時間の変更によるものらしい.夜はイカが浅いところまであがってきていて,沢山取りやすい一方,電気代がばかにならない.昼間はイカは深いところに潜っていて,取るのが大変ではあるけれど,電気代が浮いていいや.ってどっちもどっちらしい.あれれ,なんか話が違うかな?
なんだったかなー.すっかり忘れてしまった.とりあえず,漁師にとって理不尽な事があって,そんなことでいいんですか!って佐藤愛子が怒っていたら,漁師は涼しい顔で
「魚はいなくならんよ,海があればさー」
の一言で済ましたらしい.漁師にとって理不尽な事でも,それ以外の分野でその理不尽なことのおかげで生きている人もいるしなぁ,と.
そういうものかも知らん.
次に読んでいる本は
「キャラクター小説の作り方」
です.
なんだか,理屈をこね過ぎな文章で,あまり面白くないですが,ときどきなるほどと思うので,こらえて読んでます.
日曜日, 8月 20, 2006
日本沈没
昨日,映画「日本沈没」を見てきました.一人で.
ヤフー映画レビューによると,悪い評価の人が多かったので,ミッションインポッシブル3にするか悩みましたが,やはりある意味業界関係者である以上,見ておくべきだろうと自分に言い聞かせて日本沈没に決めました.
感想は,意外に良かった,です.
細かいところ,いろいろ突っ込みどころ満載なんですが,映画ですから,いいんじゃないでしょうか?
恋愛の盛り上げっぷりが安っぽく,ヤフーにもあったように,「これで君たち泣くんだろう?」みたいな押し付けがましい点があるにはあるんですが,ここのところ,オヤジくさくなったためか,そういうところも許しつつ,乗ってしまいます.
特に,親を震災でなくした子供の心情描写のところは,もう,簡単にうるうるです.若い時にはないな.
とか,地球科学とは関係ないところで楽しむわけですが,地球科学的にはもうなんてーの,だめだめ.でもま,現実通りに研究を表現しても一般受けしないのは間違いないってことですね.映画の中でも出てきましたが,潜水艇のパイロットが深海の話をすると,ヒロインが
「私小学校のころから理科とか数学とか苦手だったから・・・」
みたいな台詞を言って受け付けてくれない.
沈み込み帯だとか,フィリピン海プレートとか太平洋プレートとか,日本海溝とか南海トラフとか,知らない人がたくさんいるんでしょうね.言ってしまえば,僕は専門バカなので,一般に説明しようとする時に想像力が働かせられない.やっぱり,サイエンスライターみたいな人が必要でしょう.
それから,日本という国土がなくなって,日本国民というのが成立するかというのがもともと原作のテーマだったようですね.映画の中でも,ここで一言「日本国民」と言えば,そういうテーマがぐっと浮かび上がりそうなシーンが2,3カ所ありました.ですが,あえて言わないみたいな.そればかりか,日本国民である前に人間だ,なんて言っちゃったりして.安っぽくなっちゃったな.基本的にパトリオティズムが根底にずーっと流れている映画で,ナショナリズムは極力消そうということでしょう.
この違いを浮き出させるような演出がもう少しあったら,深みが出るのではないかと思います.
でも,全体としては良かったです.
ヤフー映画レビューによると,悪い評価の人が多かったので,ミッションインポッシブル3にするか悩みましたが,やはりある意味業界関係者である以上,見ておくべきだろうと自分に言い聞かせて日本沈没に決めました.
感想は,意外に良かった,です.
細かいところ,いろいろ突っ込みどころ満載なんですが,映画ですから,いいんじゃないでしょうか?
恋愛の盛り上げっぷりが安っぽく,ヤフーにもあったように,「これで君たち泣くんだろう?」みたいな押し付けがましい点があるにはあるんですが,ここのところ,オヤジくさくなったためか,そういうところも許しつつ,乗ってしまいます.
特に,親を震災でなくした子供の心情描写のところは,もう,簡単にうるうるです.若い時にはないな.
とか,地球科学とは関係ないところで楽しむわけですが,地球科学的にはもうなんてーの,だめだめ.でもま,現実通りに研究を表現しても一般受けしないのは間違いないってことですね.映画の中でも出てきましたが,潜水艇のパイロットが深海の話をすると,ヒロインが
「私小学校のころから理科とか数学とか苦手だったから・・・」
みたいな台詞を言って受け付けてくれない.
沈み込み帯だとか,フィリピン海プレートとか太平洋プレートとか,日本海溝とか南海トラフとか,知らない人がたくさんいるんでしょうね.言ってしまえば,僕は専門バカなので,一般に説明しようとする時に想像力が働かせられない.やっぱり,サイエンスライターみたいな人が必要でしょう.
それから,日本という国土がなくなって,日本国民というのが成立するかというのがもともと原作のテーマだったようですね.映画の中でも,ここで一言「日本国民」と言えば,そういうテーマがぐっと浮かび上がりそうなシーンが2,3カ所ありました.ですが,あえて言わないみたいな.そればかりか,日本国民である前に人間だ,なんて言っちゃったりして.安っぽくなっちゃったな.基本的にパトリオティズムが根底にずーっと流れている映画で,ナショナリズムは極力消そうということでしょう.
この違いを浮き出させるような演出がもう少しあったら,深みが出るのではないかと思います.
でも,全体としては良かったです.
木曜日, 8月 17, 2006
盆休み終わり
お盆休みから帰ってきました.
去年は娘が生まれて始めてのお盆帰省だったので,ずいぶん長いこと休みましたが,今年はその反動か3泊のみです.計画段階から今年は短くしようと思っていたんですがね.たまったマイレージを使って予約をしたところ,空席が少なく,思いのほか短くなってしまいました.
今は嵐の前の静けさなので,こつこつと論文を書こうと思います.9月になると学会要旨の投稿,地質学会(これが大変そう!),2泊3日の授業巡検,あと秘密ですが重要なことがあり,ものすごく忙しくなりそうです.
地質学会は毎年日本国内会場担当大学が変わるのですが,今年はなんとうちの大学です.受け入れ大学は大変だー!!!下っ端の僕なんかはまだましなほうですが,教授・助教授陣は想像以上に大変そうです.
去年は娘が生まれて始めてのお盆帰省だったので,ずいぶん長いこと休みましたが,今年はその反動か3泊のみです.計画段階から今年は短くしようと思っていたんですがね.たまったマイレージを使って予約をしたところ,空席が少なく,思いのほか短くなってしまいました.
今は嵐の前の静けさなので,こつこつと論文を書こうと思います.9月になると学会要旨の投稿,地質学会(これが大変そう!),2泊3日の授業巡検,あと秘密ですが重要なことがあり,ものすごく忙しくなりそうです.
地質学会は毎年日本国内会場担当大学が変わるのですが,今年はなんとうちの大学です.受け入れ大学は大変だー!!!下っ端の僕なんかはまだましなほうですが,教授・助教授陣は想像以上に大変そうです.
木曜日, 8月 10, 2006
大学という閉鎖社会を開きつつある一部のブログたち
大学は閉鎖的だと多く人のいうところでありますね.ですが,どうでしょう?
日本の多数派であるサラリーマン・OL業界も,個別に見たら結構閉鎖的だと思いますよ.カネボウの粉飾決済や,ライブドアのインサイダーなんか,決して透明ではありませんね.単にサラリーマンってみんな同じようだよねー,と思い込んでいるだけでしょう.
ま,大学も法人になりまして,決算は公開するようになりました.
とかいうと,なんだか保身に走っているようですが,そうではありません.
矛盾しているような論調ですが,大学教員はサラリーマンに比べたら多分非常に特殊な立場で仕事をさせていただいておりますです.はい.また,このような立場を公金で以て保証されており,納税者の方々に広く理解を得る努力を怠ってはならないという見解は正しいと思っております.大学はいうまでもなく公的なものです.うちの大学も広報の方は非常によい対応をしていただいていると思っております.
この,うちの大学の広報の方に,ある意味身内である私が敬語を使いたくなる,この環境はどういうことかについては,また後日機会があれば,お話ししたいと思います.
大学の閉鎖性と公共性のために,いったい大学は何をやっているんだという疑問が沢山の人にもたれているのではないかと思う訳であります.で,どうもいろいろとwebを回っておりますと,どうも大学教員のブログ業界ができているところでは出来ているみたいです.インターネットというメディアを使って,世界中の個人が表現する場を得た今!旧来依然とした大学の閉鎖性が徐々に開かれつつありますね.とんでもないことまで言っちゃっていいんでしょうかって言う感じのブログもありますね.
日本の多数派であるサラリーマン・OL業界も,個別に見たら結構閉鎖的だと思いますよ.カネボウの粉飾決済や,ライブドアのインサイダーなんか,決して透明ではありませんね.単にサラリーマンってみんな同じようだよねー,と思い込んでいるだけでしょう.
ま,大学も法人になりまして,決算は公開するようになりました.
とかいうと,なんだか保身に走っているようですが,そうではありません.
矛盾しているような論調ですが,大学教員はサラリーマンに比べたら多分非常に特殊な立場で仕事をさせていただいておりますです.はい.また,このような立場を公金で以て保証されており,納税者の方々に広く理解を得る努力を怠ってはならないという見解は正しいと思っております.大学はいうまでもなく公的なものです.うちの大学も広報の方は非常によい対応をしていただいていると思っております.
この,うちの大学の広報の方に,ある意味身内である私が敬語を使いたくなる,この環境はどういうことかについては,また後日機会があれば,お話ししたいと思います.
大学の閉鎖性と公共性のために,いったい大学は何をやっているんだという疑問が沢山の人にもたれているのではないかと思う訳であります.で,どうもいろいろとwebを回っておりますと,どうも大学教員のブログ業界ができているところでは出来ているみたいです.インターネットというメディアを使って,世界中の個人が表現する場を得た今!旧来依然とした大学の閉鎖性が徐々に開かれつつありますね.とんでもないことまで言っちゃっていいんでしょうかって言う感じのブログもありますね.
水曜日, 8月 09, 2006
読書
読書は子供の頃から好きでした.
小学校のころ,共同購入みたいのありませんでした?そういうときは,1冊くらい買ってもらえました.
ずっこけ3人組のシリーズが多かったかな.
あとは図書館でシャーロックホームズとか,椋鳩十とかを読んでました.
椋鳩十の闘牛の話を一晩で読んでしまった記憶があります.これも小学生の時でした.
その後,中学校のころは赤川次郎と星新一ばかり読んでました.
赤川次郎も星新一も読み込むとだんだん新鮮味が薄れてきて,飽きが来た頃に,なんというか,両氏の創作法打ち明け話みたいな方向に移りました.
赤川次郎なんかは
「困ったら地下組織シンジケートとか出すと楽になる.」とか
「密室は結構難しい」とか
書いていた気がします.
星新一は単語をメモ帳にばらばらばらーっと書いて行き,突拍子もない組み合わせを眺めながら話を作るとか,そういう創作方法だったようです.星新一はショートショートSFの他にも,自分のおじいさんの話などの小説も書いていて,そういう長編のほうが,面白かったですね.
高校になると,思春期真っ只中で,遠藤周作を読みまくりました.遠藤周作は僕の心の支えでありますな.
で,遠藤周作で疲れたら司馬遼太郎みたいな.司馬遼太郎って読みやすくて中身もエンターテイメントを考慮しているので,純文学に比べると疲れません.
遠藤周作は狐狸庵とか雅号でもっておばかなエッセイなども書いていますが,これまた面白い.マンガみたいでした.ところが,どんどん遠藤周作を読んでいるうちに,そのおもしろおかしいネタの裏にはすごい一般的な思想が隠れているようであることに気がつき,なんというか,こう行間がにじみ出て見えるようになってしまいました.
遠藤周作の読書法指南によると,どんな作家でもいいから一人の作家をとことん読み込むのがよいといってます.読み込んでいるうちに,どんな作家であれ,その人の哲学が伝わってくるだろうということらしいです.その上,何度も何度も文章を味わう本を数冊持つべきだとも書いてありました.これは,文章の訓練みたいなもんなのでしょうか?
で,大学までほとんど遠藤周作と司馬遼太郎.
最近は,この二人からも離れ,理学的な本とか,ビジネス書とか,政治本とか,たまに小説とか,まー雑多に読んでます.
またいずれ,読み込むべき作家に出会えたらよいなー,と思っとります.
小学校のころ,共同購入みたいのありませんでした?そういうときは,1冊くらい買ってもらえました.
ずっこけ3人組のシリーズが多かったかな.
あとは図書館でシャーロックホームズとか,椋鳩十とかを読んでました.
椋鳩十の闘牛の話を一晩で読んでしまった記憶があります.これも小学生の時でした.
その後,中学校のころは赤川次郎と星新一ばかり読んでました.
赤川次郎も星新一も読み込むとだんだん新鮮味が薄れてきて,飽きが来た頃に,なんというか,両氏の創作法打ち明け話みたいな方向に移りました.
赤川次郎なんかは
「困ったら地下組織シンジケートとか出すと楽になる.」とか
「密室は結構難しい」とか
書いていた気がします.
星新一は単語をメモ帳にばらばらばらーっと書いて行き,突拍子もない組み合わせを眺めながら話を作るとか,そういう創作方法だったようです.星新一はショートショートSFの他にも,自分のおじいさんの話などの小説も書いていて,そういう長編のほうが,面白かったですね.
高校になると,思春期真っ只中で,遠藤周作を読みまくりました.遠藤周作は僕の心の支えでありますな.
で,遠藤周作で疲れたら司馬遼太郎みたいな.司馬遼太郎って読みやすくて中身もエンターテイメントを考慮しているので,純文学に比べると疲れません.
遠藤周作は狐狸庵とか雅号でもっておばかなエッセイなども書いていますが,これまた面白い.マンガみたいでした.ところが,どんどん遠藤周作を読んでいるうちに,そのおもしろおかしいネタの裏にはすごい一般的な思想が隠れているようであることに気がつき,なんというか,こう行間がにじみ出て見えるようになってしまいました.
遠藤周作の読書法指南によると,どんな作家でもいいから一人の作家をとことん読み込むのがよいといってます.読み込んでいるうちに,どんな作家であれ,その人の哲学が伝わってくるだろうということらしいです.その上,何度も何度も文章を味わう本を数冊持つべきだとも書いてありました.これは,文章の訓練みたいなもんなのでしょうか?
で,大学までほとんど遠藤周作と司馬遼太郎.
最近は,この二人からも離れ,理学的な本とか,ビジネス書とか,政治本とか,たまに小説とか,まー雑多に読んでます.
またいずれ,読み込むべき作家に出会えたらよいなー,と思っとります.
日曜日, 8月 06, 2006
カンニング
先週金曜日,無事自分の講義のテストが終了.半期があっというまに終わりました.といっても成績をまとめる作業が残ってます.
で,テストと言えば,カンニング.(と言ってはいけない)
みなさんカンニングってした事ありますか?
ばっきゃろー!!カンニングで点数とって何の意味があるんだよぉー.そんなことするわけないじゃーん.
とか,
あったりめーだろー.楽して取るっ!効率っていう言葉知ってますか?
とか,
いろいろありますでしょう.
が,
僕は若かりし学生時代,やったことありますです,はい.
若いときは単位さえ取れればいいや,っていうこともありますです.はい.
そんな姿勢だったもんだから,やむなく専門を地学にするはめになったのですが,まさか教員になるとは,ねぇ.
そんな僕がテストを作り,学生に課すわけです.
昨年は,
「みんな大人だろー.カンニングなんかしたっておもしろくないよー.正々堂々,ぶつかってきなさーい!」
といってみたところ,答案用紙に,
「前の席の某がカンニングしてました」
と報告され,がっかりしたしました.
で,今年はもういっそのこと言うのを止めて,信頼していることを姿勢で示したところ,やっぱり
「うしろのやつらはほとんどカンニングしてたよー」
「はっしー,なめられてるよー」
とかいう報告を受け,またしてもがっかりです.
「なめられたってかまわ−ん!いずれ知るだろう,その無意味さを・・・.」
「俺も昔は先生をなめていた.そんなヤツが今の学生を非難する資格はなーい!」
自分に言い聞かせているんですな.
学生を甘やかすな!一生懸命やっているまじめな学生に示しがつかない.尊敬できる先生たらん!
という見方もありましょう.
ですが,僕はもう少し,性善説で行きたいなぁ.裏切られる事は分かってます.
裏切られても信頼しようなんて言うと,なんだかかっこよく聞こえますが,別の見方をすれば,これは責任放棄でもあります.カンニングを厳しく取るということは,学生の半期分全部の単位を奪うということで,学生の人生がやや狂います.これにしっかりと向き合うかということでもあります.学生がこっちを裏切るのと同様に,僕も学生とちゃんと向き合ってないということでもあるんでしょうね.その前にカンニングさせない努力を怠っているという事でもあるかもしれません.盗ませない努力を怠れば,泥棒がはびこるように,世の中は性善説では動いていない.僕も早く大人にならねばならないということでしょうか.
で,テストと言えば,カンニング.(と言ってはいけない)
みなさんカンニングってした事ありますか?
ばっきゃろー!!カンニングで点数とって何の意味があるんだよぉー.そんなことするわけないじゃーん.
とか,
あったりめーだろー.楽して取るっ!効率っていう言葉知ってますか?
とか,
いろいろありますでしょう.
が,
僕は若かりし学生時代,やったことありますです,はい.
若いときは単位さえ取れればいいや,っていうこともありますです.はい.
そんな姿勢だったもんだから,やむなく専門を地学にするはめになったのですが,まさか教員になるとは,ねぇ.
そんな僕がテストを作り,学生に課すわけです.
昨年は,
「みんな大人だろー.カンニングなんかしたっておもしろくないよー.正々堂々,ぶつかってきなさーい!」
といってみたところ,答案用紙に,
「前の席の某がカンニングしてました」
と報告され,がっかりしたしました.
で,今年はもういっそのこと言うのを止めて,信頼していることを姿勢で示したところ,やっぱり
「うしろのやつらはほとんどカンニングしてたよー」
「はっしー,なめられてるよー」
とかいう報告を受け,またしてもがっかりです.
「なめられたってかまわ−ん!いずれ知るだろう,その無意味さを・・・.」
「俺も昔は先生をなめていた.そんなヤツが今の学生を非難する資格はなーい!」
自分に言い聞かせているんですな.
学生を甘やかすな!一生懸命やっているまじめな学生に示しがつかない.尊敬できる先生たらん!
という見方もありましょう.
ですが,僕はもう少し,性善説で行きたいなぁ.裏切られる事は分かってます.
裏切られても信頼しようなんて言うと,なんだかかっこよく聞こえますが,別の見方をすれば,これは責任放棄でもあります.カンニングを厳しく取るということは,学生の半期分全部の単位を奪うということで,学生の人生がやや狂います.これにしっかりと向き合うかということでもあります.学生がこっちを裏切るのと同様に,僕も学生とちゃんと向き合ってないということでもあるんでしょうね.その前にカンニングさせない努力を怠っているという事でもあるかもしれません.盗ませない努力を怠れば,泥棒がはびこるように,世の中は性善説では動いていない.僕も早く大人にならねばならないということでしょうか.
木曜日, 8月 03, 2006
水曜日, 8月 02, 2006
多様は価値
多様性には価値がある,と言う.
結構僕はこの言葉が好きなのだけれど,場合によっては効果あり,場合によっては逃げの言葉なのだと思われる.
例えば,自信をなくした学生に,人と同じで何がおもしろい!違う事に価値があると励ますと効果あり.
でも,自分の失敗の言い訳にも使えたりして.
例えば,先日,今年通った論文の別刷り請求がなんと,ハンガリーから来た.見てくれている人がいるんだなーと思うわけ.
例えば,先日,投稿していた論文がリジェクトされた.なんて見る目がないんだーと思うわけ.
えーっと,つまり,評価してくれる人がいる一方で,駄目だと言う人もいる.
他人の評価なんかかんけーねーんだよ,多様な事に意味があるんだからさー!
好きなようにやるしかねーさー.
みたいな開き直りにも使えちゃったりしてね.前向きでしょ.
で,明日は学生にテストを受けさせて,僕は彼らを評価せねばならない.
ま,これは授業でやった事の理解度の確認だから基準はある程度明確で,次元の違う話だな.
結構僕はこの言葉が好きなのだけれど,場合によっては効果あり,場合によっては逃げの言葉なのだと思われる.
例えば,自信をなくした学生に,人と同じで何がおもしろい!違う事に価値があると励ますと効果あり.
でも,自分の失敗の言い訳にも使えたりして.
例えば,先日,今年通った論文の別刷り請求がなんと,ハンガリーから来た.見てくれている人がいるんだなーと思うわけ.
例えば,先日,投稿していた論文がリジェクトされた.なんて見る目がないんだーと思うわけ.
えーっと,つまり,評価してくれる人がいる一方で,駄目だと言う人もいる.
他人の評価なんかかんけーねーんだよ,多様な事に意味があるんだからさー!
好きなようにやるしかねーさー.
みたいな開き直りにも使えちゃったりしてね.前向きでしょ.
で,明日は学生にテストを受けさせて,僕は彼らを評価せねばならない.
ま,これは授業でやった事の理解度の確認だから基準はある程度明確で,次元の違う話だな.
火曜日, 8月 01, 2006
クライマーズ・ハイ読み終わりました
クライマーズ・ハイ読み終わりました.さすが新聞記者あがりの著者だけあって,非常に贅肉の切り落とされた簡潔な文章で,読みやすかったです.内容もなんというか男のこだわりというか,仕事への姿勢というか,組織のしがらみというか,ま,ありがちではありますが,かっこよいです.JALの墜落そのものについての生々しい記述はほとんどどなく,その空前絶後の大ネタに一地方新聞記者がどういう思いで対応するかが詳細に書かれています.この部分がおもしろかった.新聞記者として名声を轟かせたい欲望がかなり全面に出ており,対象が多くの死である事については,一歩引いた冷静な視点があります.ちょっとこれはどうなんだろうかと思いましたが,そんな事構わずに,それが新聞記者であると断言しているよう内容でした.遺族でもない赤の他人が関わらざるを得ない場合,こういう姿勢がベストな解なのかも知れません.
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