昨日,映画「日本沈没」を見てきました.一人で.
ヤフー映画レビューによると,悪い評価の人が多かったので,ミッションインポッシブル3にするか悩みましたが,やはりある意味業界関係者である以上,見ておくべきだろうと自分に言い聞かせて日本沈没に決めました.
感想は,意外に良かった,です.
細かいところ,いろいろ突っ込みどころ満載なんですが,映画ですから,いいんじゃないでしょうか?
恋愛の盛り上げっぷりが安っぽく,ヤフーにもあったように,「これで君たち泣くんだろう?」みたいな押し付けがましい点があるにはあるんですが,ここのところ,オヤジくさくなったためか,そういうところも許しつつ,乗ってしまいます.
特に,親を震災でなくした子供の心情描写のところは,もう,簡単にうるうるです.若い時にはないな.
とか,地球科学とは関係ないところで楽しむわけですが,地球科学的にはもうなんてーの,だめだめ.でもま,現実通りに研究を表現しても一般受けしないのは間違いないってことですね.映画の中でも出てきましたが,潜水艇のパイロットが深海の話をすると,ヒロインが
「私小学校のころから理科とか数学とか苦手だったから・・・」
みたいな台詞を言って受け付けてくれない.
沈み込み帯だとか,フィリピン海プレートとか太平洋プレートとか,日本海溝とか南海トラフとか,知らない人がたくさんいるんでしょうね.言ってしまえば,僕は専門バカなので,一般に説明しようとする時に想像力が働かせられない.やっぱり,サイエンスライターみたいな人が必要でしょう.
それから,日本という国土がなくなって,日本国民というのが成立するかというのがもともと原作のテーマだったようですね.映画の中でも,ここで一言「日本国民」と言えば,そういうテーマがぐっと浮かび上がりそうなシーンが2,3カ所ありました.ですが,あえて言わないみたいな.そればかりか,日本国民である前に人間だ,なんて言っちゃったりして.安っぽくなっちゃったな.基本的にパトリオティズムが根底にずーっと流れている映画で,ナショナリズムは極力消そうということでしょう.
この違いを浮き出させるような演出がもう少しあったら,深みが出るのではないかと思います.
でも,全体としては良かったです.
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