大学教員になったばかりのころ,それはもう研究に燃えていましたね.
今も昔もオーバードクター問題というのが,延々と続いておりまして,多くの博士課程の学生は,いったい自分の将来はどうなるんだろう,と不安な日が少なからずあるわけです.ドクターを取ろうと頑張っている時は,自分の研究にある程度の自負があり,このネタで飯を食えたらどんなに幸せだろうかと夢を持って研究している訳です.つまり,就職先の希望はほぼ研究職であるのですが,この枠が非常に少ない.
大学教員としての就職は,そんな夢の実現です.そうなんです.
僕は非常に幸運な事に,早々とそんな夢が実現したんです.これで燃えないわけがありません.
ところが,学生の頃には想像もできない仕事が大学では沢山ある事にすぐ気がつきます.大学とは言わずもがなですが,教育機関でありますので,大学の存在意義としての学生へのサービス業務が沢山あります.サービスというと聞こえが悪いですが,大学のほとんどの部署は学生のために存在しています.授業のカリキュラム調整,必修選択科目の設定,講義,成績付けという一連の学位システム,退学休学・転学科転学部の対応,数多くの入試への対応などです.入試の数が多いのにびっくりです.まず,一般的な学部入試.推薦入試,センタ−試験から前期後期試験へと,ここで4つあります.あと,大学院の一次・二次試験.これで2回.あと,帰国子女,編入学,社会人入試といろいろ試験があります.最後の方は数が少ないですが,対応の手間は同じです.
こういったシステムが大学を大学としているという,ま,まったくもってあたりまえすぎることなのですが,研究に燃えておった学生時代には,その恩恵を被っておきながら,実はまったく気がついていなかったということです.
最初のうちは目新しく,あー面白いと思っていましたが,だんだん慣れてくるにつれて,研究とどうバランスを取るかということを考えるようになりました.研究で業績を出そうとするのはある意味,自分の名誉欲を満たそうとすることであります.自分に実力があるないに関わらず,業績を上げたいと思うものです.一方で,研究とは全く関係ない業務もややあると,ま,ある時の感情によっては,なんかやばいなーと焦ったりする事もあります.で,大学とかじゃなくて,研究だけできる機関があるという噂・・・,というか,ま,教育のデューティーのない機関の人たちをうらやんだりしてしまう時もなきにしもあらずです.
ところがどっこいしょ.
で,長くなったので,今日はこのへんで.
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