木曜日, 8月 24, 2006

今日読んだ論文

無茶だと思うけど,今日読んだ論文というコーナーを立ち上げよう.目標はレターだったら1本一日,フルペーパーは1本3日から一週間ほどでこつこつ読んで行くつもり・・・.無茶だなぁ.
で,読んだ感想を書くと.
次があるか・・・,乞うご期待.

今日読んだ論文は
Kano et al., 2006, Heat signature on the Chelungpu fault associated with the 1999 Chi-Chi Taiwan earthquake, Geophysical Research letter, V. 33, L14306, doi: 10.1029/2006GL026733
です.
なんだか最近の論文の引用の最後の方がよく分からないですね.doiってなんだろ.

で,中身ですけれども,簡単に言うと地震断層は強いのか弱いのか,地震によるエネルギー放出に,熱エネルギーにどれほど変換されているのか,という問題に果敢にアタックしております.
基本データは台湾チェルンプー断層の掘削孔を用いた温度測定で,この掘削孔では1111mに一つの地震断層の候補があるのですが,そのあたりに0.06℃の温度上昇があった.この温度上昇を摩擦発熱として計算してみると,断層強度は非常に弱くなるという結論です.
同様の研究は以前にもあったのですが,その時は掘削孔が非常に浅く,流体移動の影響を受けていたので,正しくないのではないかという議論をしています.
このような弱い断層ですと,摩擦発熱でメルティングを起こしていないだろうということで,断層を弱くした原因は高間隙流体圧か,なんらかの潤滑作用が起こっただろうと解釈しています.
ただ,断層運動に伴って高温流体が局所的に上昇したことも考えられ,今回の結論は可能性としてのみしめせるだろうとのことでした.

あー,やっぱり無茶だな,この企画.
えーっと,ちょっとコメントすると,熱拡散率の物からの実測と合わないのではないかと思うんだけれども,どうなんでしょうか?実測というのは台湾の掘削コアの値です.一般的な頁岩の値と結果から推定される熱拡散率の値は矛盾しない事で逃げを打っておりますが,一般的な頁岩の値も大きくバリエーションを持ちますし,そもそも,実測しているのですから使うべきでしょう.実測の仕方にいろいろ困難もありまして,問題ありなのかもしれませんが.

さて,この企画,本当に次があるのでしょうか?

あるかなー,ないかなー.

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