昨日は薄片技師のブライアンに時間を取ってもらい、薄片作成作業を始めました。
薄片にしようとしている試料は、柔らかい堆積物なので、結構手間ひまかかります。堆積物は四国沖南海トラフから取って来たものです。うちのsupervisorが持ってました。
どうもここのシステムは、決して自分で薄片を作ってはいけないようで、必ずブライアンに作ってもらわなければならないようです。薄片一枚3.5ドル。日本に比べたら桁違いに安いです。同じような堆積物を日本で外注したときは、確か30枚で40万円くらいしました・・・。
コストは僕のサラリーからも払えるということでした。
ブライアンからは
「サラリーから仕事のお金を払うなんておかしいぞ!絶対やるな」
と言われましたが、僕の特殊な事情を説明したら、なんとなく納得してました。
柔らかい堆積物を薄く切ったり磨いたりするために、樹脂に埋め込まねばなりません。堆積物は海水を含んでいたので水と塩分が多く残っており、その水や塩分が樹脂と反応して固まらなくするので、まずはこの水と塩分をアセトンで洗浄・置換します。
その後、オーブンで試料を乾燥、と同時に樹脂を暖めて粘性を下げ、減圧容器で試料に樹脂をしみ込ませます。
結構、タイミングや温度などの微妙なノウハウがあるらしく、一通り一緒に作業をしてくれるということでした。最初は全部任せなければならないのかと思っていたのですが、この前準備は僕が自分でしていいみたいです。薄くする前の段階までやれば、あとは3.5ドルでやってくれるそうです。
でもブライアンも海底から取って来た堆積物を処理したことはないらしく、どうなるか分からないから、まずは実験だなと言ってました。
昨日言っていたブライアンの笑い話をまた話してくれました。どうも船で湖にサンプル採取しにいったら、二つある燃料タンクが空になってしまい、漂流するはめになったという話でした。通りがかりの船に助けを求めてやっとこ戻って来たんだよー、だって。慣れてくるとより分かって来ますね!
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